好きと嫌いの間には、
いつでも普通に無関心がいて
そこが一番心地よかったりする。
好きと嫌いの間では、
無関心でいられることの苦痛が伴って
どうにか自分の方に振り向かせようと
時に優しく、時に意地悪に装ったりする。
好きと嫌いの間には、
自分ではわからないのに、
第三者に、どう思っているのか当てられたりしてハッとすることがある。
好きと嫌いの間には、
始まりか終わりかによって
随分と違う感情が起こる。
始まりには期待と喜びが
終わりには諦めと平穏が
好きと嫌いの間に
いくつもの物語が宿っている。
好きと嫌いの間の間に包まれて
これ以上、どちらに偏ることもなく
穏やかな田舎道を散歩しているような
この乾いた秋の空気に似た心を愛おしく思い
何も背負わない身軽さを歓迎しよう。
好きと嫌いの間は
秋に似ているんだと思う。
0コメント